追加で(笑)

旭日の鉄騎兵 満蒙に吼ゆ! (歴史群像新書)

旭日の鉄騎兵 満蒙に吼ゆ! (歴史群像新書)

架空戦記に限らず、小説の面白さって「上手い嘘」にあると思うんです。
で、架空戦記というジャンルで主として吐かれる嘘は『歴史*1』に関する嘘と『技術』に関する嘘だと思います。

この作品「旭日の鉄騎兵」シリーズは『技術』に関する嘘が秀逸です。
史実では連合国の戦車に対して無力に近かった日本戦車が、ドイツ軍の戦車と対等に戦ってます(笑)
この巻はシリーズの最終巻。
欧州戦線、ゴラン高原ときて、やっと本来の想定戦場、満州
年代は1953年です。
日本軍の十式戦車に対抗するのは「十式殺し」ことドイツ軍の最新型駆逐戦車。
なんというか、このドイツ軍の駆逐戦車、史上最大の戦車「マウス」をちょっと軽くしただけ、みたいな(笑)
一言で言って化け物です。
陸上を走る、超重装甲の駆逐艦砲搭みたいです。
で、対抗する十式は最新の増加装甲と新型砲弾を配備した改良型。
一言で言えば反則です(笑)
装甲も、砲弾も酷い反則(笑)
だって、この十式改良型、火器管制コンピュータとレーザー測距装置を搭載すれば、まんま第2.5世代戦車*2ですもの(笑)
だというのに、妙にあふれる説得力。
この技術に関する秀逸な『嘘』がこの作品の魅力です。


しかし、最後に出てきたTYPE61も酷いですな。
機動性さえ確保できるなら、現代の第一線級のMBTとさえ互角に殴りあえてしまいそうですもの(笑)

*1:政治とかも含みます。

*2:たしか、70年代後半から80年代頭ぐらいの技術のはず