アメリカン・ギャングスター

映画アメリカン・ギャングスターを見てきました。
1970年代のアメリカ、ニューヨークのハーレムでヘロイン密売組織のボスだった「フランク=ルーカス」。
彼がへロイン帝国を築き、栄華を極め、そしてエセックス郡麻薬捜査班の「リッチー=ロバーツ」の手により帝国を崩壊させられるまでが描かれた映画です。
この映画、実話が原作*1です。
つまり、フランク=ルーカスもリッチー=ロバーツも実在の人物なんですね。
そして、両者ともに現在も生存していたり。

もともと、この映画の紹介文句は「麻薬密売組織のボスと捜査官の行き詰まる攻防!」とか、「栄華を極めた暗黒街のボスの物語」みたいな感じだったんで、「アンタッチャブル」見たいな感じかな?と思ってたんですよ。
まるで違いやんの。
凄く、社会派の映画なんですよ、これ。
悪役はフランクでもないし、リッチーでもない。
全く別の存在が敵なんです。
そして、その敵はフランクにとっても、リッチーにとっても敵なんですよね。


冒頭から両者の立ち位置を如実に表すエピソードでスタートし、物語の中にぐいぐいと引き込まれます。
ヘロインブランド「ブルーマジック」を確立し、順風満帆とすら言える生活*2を送るフランク。
それに対し、妻とは離婚し、子供とは別れ、相棒は麻薬中毒で喪うといった状況からでも執念といっても良いかもしれない捜査でフランクを追い詰めるリッチー。
フランクは教会でリッチーに逮捕されるのですが、このシーンがまた、カッコイイ。


でも、これで終わらないのがこの映画の凄いところ。
最期の20分で発生する大どんでん返しが、この映画に爽快感すら与えてくれます。
いや、本当に面白い映画でした。

*1:正確には同名のルポが原作ですが

*2:もっとも、他のギャングスターに比べるなら非常に地味な生活ですが。この「目立たない」生活はフランクの信念だったそうです。