最近買って読んだ本
- 作者: 宮嶋茂樹
- 出版社/メーカー: 双葉社
- 発売日: 1997/06/01
- メディア: 文庫
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こう書くとすごいまじめな内容に思えますが、その実、どえらい勢いで崩れた軽いノリの、しかし、すぱんと切れのいい文章ですごく読みやすいです。
海自の輸送船でカンボジアへ赴き、陸自のタケオ基地での取材。
PKO派遣部隊の規則上、民間人に利便を図るわけには行かないので、輸送船以外は全て自弁です。
宮嶋氏はフリーですのでとてもとても、高いホテルに泊まるようなわけには行きません。*1
どうしたか?
タケオ基地脇に小屋を建てて住み込みました(爆笑)
足は現地の人から調達したスクーターです。
護身用の武器は同じく現地で調達のマカロフ*2です。
写真見ると、カンボジア人と区別つかねえw
いやあ、この人いい意味でバカだわ。(誉めてますよ?)
私は真似できない。
マスコミに辛い某巨大掲示板軍事板で『日本人では数少ない本物のジャーナリスト』と呼ばれるだけのことはあります。
非常に自嘲的な文章ですが、それでいて卑屈になっていない、明るさを感じさせられます。
ところどころ誇張はあるでしょうが、すごくいい文章です。
あと、さすがカメラマン。
写真がいいですね。
自衛隊員の任務中の風景、任務後の日常*3、現地の方々の生活風景。
ああ、いいなあ、と思わせてくれる写真がいっぱいです。
一番印象に残ったのは、かの有名な『ピースボート』ご一行様の視察風景。
いやあ、自由と平和を愛する方々は違います。
自由を愛するがゆえに最近まで内戦状態にあった国で、化粧をして自由気ままに行動するのはもちろんのこと、
地雷がごろごろしている、酷暑のカンボジアで土木工事をしている自衛隊員に環境問題への配慮を詰問する姿勢は私ごとき卑賤の身には考えも付きません。
これに書いてあることが全て本当だとしたら、まあ、随分想像力が盛んな方々とお見受けしますよ。>ピースボート
道路を直して、物流を戻さないと衣食住全てに支障が出るだろうに、それよりもはるかに先の環境問題に考えが及ぶんですもの。
いやはや、全く素晴らしい。
他にも市民連合なる組織が自衛隊派遣の反対運動に来ていたらしい*4ですが、こういった人々と作家の曾野綾子先生との比較はものの見事な対比になっていて正直、苦笑しましたね。
いやはや、右だろうが、左だろうが、こと政治に関して声のでかい方々には、いささか好意を抱くのに躊躇させられますな。
本当に。