私は、帰って来た!
放置プレイ、実に3ヶ月Over(笑)
いやね、サボってただけじゃなく、仕事が忙しかったんですよ?
仕事だけじゃなく、実家のほうでもいろいろあってさ。*1
と、いうわけで言い訳終わり。
[感想]サボってる間に読んだ本(の一部)
- 作者: 白善
- 出版社/メーカー: 草思社
- 発売日: 2000/05
- メディア: 単行本
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朝鮮戦争で活躍した韓国軍の名将『白善ヨプ(火へんに華)』氏の回顧録です。
最近、にわかに朝鮮戦争について興味が出てきたので読んでみました。
氏の生い立ちから、満州国軍への入隊、日本の敗戦、朝鮮戦争勃発からその後までが書かれています。
読んでいて興味深かったのは、終戦直後から朝鮮戦争直前ぐらいまでの韓国国内の情勢です。
軍の反乱*2やら済州島での共産主義者の蜂起、軍内部への共産党員の浸透など、韓国国内混乱しまくり。
特に、軍内部への共産党の浸透では、かの朴正煕が軍内の共産党細胞の有力者であったという事実に驚愕。
割と早期に転向してたみたいですから、今で言う、「ネオコン」みたいな人だったんでしょうか。
逆に北は比較的安定していたようですが、その理由がまた、素晴らしい。
その理由とは、金日成が北朝鮮に入ってすぐに、現地共産党員を粛清したから。
最大の見せ場は釜山円陣での防戦での、四八八高地奪還時の突撃命令でしょう。
マラリアでふらふらしながらも、四八八高地を奪還。
米軍連隊長の「師団長の突撃を始めて拝見させていただきました」は、名言だと思います。
朝鮮戦争時の記述内でところどころにみられるのは「砲が欲しい。戦車が欲しい。火力が欲しい」という内容の記述です。
・・・これって、日本軍の苦悩とほぼ同一ですよね?*3
どこもかしこも悩む点は同じなんでしょうか。
それでも、米軍*4の支援のおかげで「弾薬無制限」が行えるだけ、日本陸軍よりはよほど恵まれてはいるんですけど。*5
日本の植民地時代に関する記述もありますが、トーンは随分と穏やか。
日本を非難する論調はほとんど感じられず、むしろ、達観しているような印象です。
日本の韓国統治に対しての「法治主義は我々にはなじまなかった。むしろ、人治主義のほうが性にあっていた」という意見にはある意味で納得がいきました。
正直、これこそが日韓関係のギクシャクの原因の、その大元の一つなのではないかと思えます。
あと、台湾大使時代の話で日本人軍事顧問団「白団」*6が登場していたのには驚きました。
戦後、実は少なくない数の日本兵がアジア各地で独立闘争の支援をしていたのですが、白団はその台湾版です。
実は私も詳しくは知らないのですが。(笑)
バイアスが掛かった本が多い中、軍人ゆえなのか、回顧録でありながら、酷く客観的な記述で感心させられます。
貴重な一次資料なだけあり、いろいろと、知らなかった事実が出ていて、なかなかたまらない本でした。
著者の白善ヨプ将軍は、今年85歳。
現在アメリカで療養中だそうですが、長生きしていただきたいものです。
- 作者: 伊藤悠,佐藤大輔
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2005/09/16
- メディア: コミック
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皇国の守護者漫画版第二巻です。
この巻は、北領で、主人公、新城直衛が後衛戦闘を行う場面です。
夜襲での戦闘シーンや笹嶋水軍中佐との会話シーンなど見所満点。
後半からは新城がその本性をむき出し始めます。
新城が骨の髄までの現実主義者*7であることが露になります。
原作を知らない人たちは、新城が「ああいった行動」をとるとは思いもしなかったんではないかと。
あと、若手少尉トリオのキャラが立ちまくり。
原作だと漆原少尉以外は割りと薄い描写なんです。
しかし、この漫画版ではキャラ個々に強い個性があります。
やっぱり伊藤先生は上手いですよ。
魅せ方が。
この後、少尉トリオがたどる運命とその結末が引き立つってものです。
死闘!特設第三水雷戦隊 Z艦隊轟沈作戦 (ジョイ・ノベルス)
- 作者: 林譲治
- 出版社/メーカー: 実業之日本社
- 発売日: 2005/09/30
- メディア: 新書
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プロローグがいきなり硫黄島。
しかも悲惨な末期戦。
どえらいホット・スタートです(笑)。
戦艦主砲の長射程化に伴って、有効性に疑問が持たれた水雷。
その解決策の一つが「超大型空気魚雷」。
大戦末期に「回天」という、特攻兵器がありましたが、それの無人版*8みたいな「超大型空気魚雷」が主役です。
この本の面白いところはただ、「超大型空気魚雷」が出来て敵を倒して終わり、ではなく、この魚雷の開発によっていろんなところに技術が派生しているところ。
特に航空機に技術が派生したところは面白いですね。
プロローグがここに生きてきますから。
ここ半年ぐらいの架空戦記ではピカイチの出来と思います。